この本は中国国家主席の習近平がどのような人物か知りたい、そして中国共産党の体制についても知りたいと思っている方におすすめの書籍です。
本書を読むことにより特に習近平が今後はどのように中国を導いていくのか現在の共産党体制の状況踏まえて考察することができます。
ちなみに本書を手に取ったのはたまたま共産党に興味を持った機会に中田敦彦のYoutube大学で勉強していた時に本書を紹介していたことがきっかけです。
ちなみにこの本を読む前にYoutube大学で一度簡単に勉強してから、本書を読むとスッと理解しやすくなりますので、そのようなステップもおすすめです。
- 習近平に関する本を探している方
- 中国共産党に関する本を探している方
印象に残った内容
本書を読んで印象に残ったのは3点です。
(1) 苦労人の習近平
習近平の青年期には苦労の連続だったようです。
父親の習仲勲が失脚したことにより北京での豊かな生活から豚小屋での生活へ転落。
このような背景となったのは、当時絶対的な権力を持っていた毛沢東が1968年に下記のような指示を出したためです。
要するにある程度教育を受けた都会の青年は、田舎へ行って再教育を受けなさい!と。
これを「下放(かほう)」と言います。
この下放で習近平は対象となるため、田舎で再教育を受けることになったのです。
再教育とは、貧鉱農民と共に肉体労働をして生活を共にすることですね。
当然衛生状態もあまり良くないため、毎日ノミやシラミにまみれていたようです。
この他にも父親の失脚に伴い、仲良くして人も突然離れていったり人間不審にもなったでしょう。
この時の経験が現在の人格形成に大きな影響を与えていることは間違いないありません。
詳細は本書を読んでいただければと思います。
ニュースで出現する華やかな今の習近平からは想像できない習近平の裏人生も詳細理解することができます。
(2) 絶対方針は「中国共産党による一党支配体制の維持」
中国政府は国家発展を目指すのではなく、中国共産党による一党支配体制を維持するためにはどうすれば良いのかを基点として考え動いています。
例えば経済であれば、国民に対して「中国共産党が指導者として政権を握っているからこそ、国民の生活は良くなっているんだ!だから中国共産党は正しいんだ!という説明を国民にしているのです。
そのため、当然国民の生活が良くならなければ中国共産党に対する不満がさらに溜まり、体制崩壊へつながることが原動力となって経済発展を追求することになります。
一般的な民主主義国家とはそもそも考え方が全く異なるのです。
(3) 中国は戦争を望んでいない
中国は戦争をしようとは思っていない。
戦争などと言う不安定な社会状況が来れば、年間20万件にも及ぶ暴動を刺激し、中国崩壊へと導く。
中国による台湾侵攻の危機が迫っていると報道ではあるが、実は戦争を望んでいない。
その理由は、中国国内での年間暴動発生件数は20万件以上あり、戦争なんてしようものならば共産党に対する不満勢力が暴動を起こすことにより、内側から一気に崩れ一党独裁政権はあっけなく終了となるためだ。
読んで感じたこと
読む前では、中国共産党は独裁政権としてある程度安定しているすなわち安定政権と勝手に思っていました。
しかしながら、本書を読んで中国は不安定要素しかない国と認識が一変。
中国共産党幹部による汚職など腐敗の蔓延、反対勢力による暴動の頻発(しかも年間20万件以上)など問題は山積み。
このような根深い不安定要素が山積みであるから、外国との戦争も本当は望んでいないのではという本書の分析に納得することができました。
まとめ
僕自身中国の歴史や政治体制について勉強する過程でこんなにもイメージと違っているのかと毎回びっくりしています。
中国は隣人であり、日本への政治・経済的な影響力も大きいです。
これからも日本は隣人として生きていかなければなりませんが、日本人は意外と中国について知らないのかもしれません。
ぜひ、本書をきっかけに習近平のみならずお隣の中国という国についても興味を持つきっかけとなっていただければ幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。