【読書】「1984」ジョージ・オーウェル|独裁政権による恐怖の監視社会

今回紹介するのは、ジョージ・オーウェルの「1984」です。

欲しい物、お気に入りの動画、知りたい情報などさまざまな情報をスマホに入力しています。

視点を変えると、我々の思考や行動履歴などのスマホに吸い取られているとも言えます。

YouTubeでも頼んでないのに何故かおすすめの動画とか出てきますね。。。

スマホはあなた以上にあなたのことを知っているかもしれません。

この情報を政府が管理するようになり、使い方によっては国民の監視にも使用できます。

スマホから得た情報であなたが政府にとって危険か否かというような判断をAIでできるようにしてしまえば自動的に逮捕することも可能です。

常に監視されているなんて息苦しいです。。。

その監視社会を描いたのが、ジョージ・オーウェルの「1984」という小説です。

本書は1949年にイギリス人作家ジョージ・オーウェルが、予想した独裁政権がテクノロジーを活用して構築した「監視社会」を描いています。

現実として中国の新疆ウイグル自治区では、高度なテック技術による監視社会が構築されており酷似しています。

私が本書を手に取った理由は、このウイグル地区の監視社会を解説した書籍「AI監獄ウイグル」でこのウイグルの監視社会は1984と同じ世界だと紹介があり興味が湧いたためです。

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(参考までにAI監獄ウイグルの読書記事を掲載します↓)

1984を読むことでまた違った視点でウイグル問題を考えられるんじゃないか、自分に与えられている自由について見直すきっかけとなるんじゃないのかと思いました。

1949年に刊行された「1984」は、現代が監視社会になり得ることへのもはや警告です。

新たな視点を獲得するための1つの書籍としてオススメです。

この記事をオススメする方
  • 「1984」の購入を迷っている方
  • 監視社会に興味がある方
  • 「1984」を通じてウイグル問題を考えたい方

印象に残った箇所

ニュースピーク

思考を表現する言葉がなければ考えることもなくなる。
すなわち『思考犯罪』の撲滅につながる。

ニュースピークという単語が本書には登場します。

国民の語彙を制限することで党への反体制的思考ができないようにすることを意味しています。

人は言葉で思考します。

その大切な言葉を国民が気付かないように少しずつ奪っていくことで、反体制的な動きが発生しないようにするという戦略です。

中間層のみ監視

これまでの世界では上層・中層・下層で民衆はランク付されていました。

階層の逆転が発生するのは、中層が下層をまとめ上げて上層を駆逐する時です。

しかし、下層は下層のまま。教養もなく、考える力もない。

すなわち奴隷のまま。そのままで良い。

これまでの歴史上も権力構造としてはこのような流れ。

そこで上層は考えました。

中層のみを監視してコントロールすればいい。

中層さえ自分の地位/財産を失うことなく守ることができる。

中層の中でおかしな言動・行動をした場合は再教育すれば良いだけ。

そうすれば、上層すなわち権力者は現在の地位を確保することができる。

シーマー

すげーな、おい。感動した。

すげーモノの見方で感動しました。

二重思考

 党は「あった」ことを「ない」と信じ切れるように「二重思考」を国民に叩き込んでいるんだ。

「二重思考」とは、矛盾する二つの信念を受け入れる思考能力のことです。

ちょっと言っている意味がわからない。。。

ですよね。。。

具体的な例を出しましょう。

例えば「黒い靴」があったとします。

でもそれは「赤い靴」だと矛盾した事象を党から指導をされても、「赤い物」だとすんなり受け入れられる思考が「二重思考」という意味です。

これは中国のウイグルでも同じように強制収容所でウイグル人に対して、上記のような教育を年単位で行われています。

これをすることによって、党の矛盾した指導やプロパガンダに対してもすんなり受け入れられるようになり、反体制活動の活発化を防ぐことができるようになってしまうのです。

つまり党が言ったことに対して疑念を持たずに信じ込めるようになります。

気づかない内に疑念を持たないような思考になるとは怖すぎです。

好きな登場人物

本書を読んでいて好きだな〜って思ったのわ「ジュリア」です。

政治的無関心でありつつも人生を楽しむことに本気な20代女性。

その証拠にとして厳しい監視社会の中でも人生を謳歌するための手段を独自に確立している。

通常は手に入らない物資の入手ルート、秘密に落ち合える場所の確保、そこまでのルート開拓などすごい!

むしろウィンストンの方がうざったいくらい。。。

自分を当てはめるとウィンストンになってしまうのかなと反省です。

ジュリアのような女性は魅力的だなと感じます。

読書後の変化

1949年に描いた小説とは思えないリアリティでした。

本書は名前は知っていていましたが読めておらず、もっと早く読んでおけばよかったと後悔。。。

ウイグルでの監視社会の実情と照らし合わせても現実に既に存在していることに恐怖を感じています。

明日は我が身。

この大好きな自由を守るために常に注意深く生きていこうと思いました。

まとめ

テクノロジーが発達した今、本書で描かれている監視社会を実現しようと思えば構築可能です。

特に独裁政権は喉から手が出るほど欲しいでしょう。

一度構築されたら後戻りするのは困難です。

この自由を守るためによくよく注意して生きていきましょう!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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