この本は奴隷の哲学者エピクテトス_人生の授業で紹介されていてたまたま購入。
戦時中の学徒出陣で戦地に散っていった若者の戦場での日記や手紙です。
こういうのを読むたびに感じますが、戦時中までの日本人は今の日本人と違う。
これを言語化したいのですが、どう言えば良いのか現時点でわからない。
人生希望に溢れてこれからもっとやりたいことだらけのはずなのに死ななければいけない若者。
これからもっと勉強したり、遊んだり、恋したりという年齢。
不条理な戦争に駆り出され死ななければならないこの葛藤。
日記からそんな正直な声が聞こえてくる。
いや、私ごときがそんな言葉は出せない。
スタバで読んでいて途中で涙が出てきてしまった
あなたが戦場に持っていくとしたらどんな一冊を持って行きますか?
本書を読んでみて思った。
みんな苦しい葛藤の中で心の支えを欲している。
・両親、兄弟、奥さんを守るためという大義を支えに。
・聖書の言葉を支えに。
・哲学の言葉を支えに。
などなど。
特に感じられたのは読書欲。
本を読みたいのに軍に禁止されている。
葉隠のみの携行だなんて頭がおかしくなりそうだ。
この読書は抵抗か。
ということで、みなさんが戦場に赴くことになり、1冊だけ本を持っていけるとしたら何を持って行きますか?
私は小説かな。
ワイルドソウルか1Q84を持っていく。
現実を忘れさせてくれる小説であり、内容も深い。
文庫本で省スペース。
ボロボロになるまでひたすら読むと思う。
活字に飢えている自分が容易に想像できる。
緊張とプレシャーから唯一自分を解放してくれる。
欧州の人は戦場に持っていく本は聖書が多いのかな。
いずれにせよ、言葉がないと生きていけない。
自由に本が読める現代に感謝し、今を生きよう。
よく生きよう
同時にこんな先人たちに守られて今があることを忘れてしまっている自分への憤り。
没頭せずに自分を毎日使い切れていない自分への憤り。
こんなにももっと生きて人生を謳歌したかった先人たちに申し訳ない。
何に対しても没頭していないただ生きているだけの 35歳の自分がそこにいるだけ。
先人に喝を入れられた日でした。
おしまい。