最近も中国の近現代史に関する書籍や映画を見ており中国漬けになっています。
読んだ書籍についてはどれも歴史解説や評論関連本だけであるため、小説が欲しくなりました。
その時代を生きている特定の人物視点で見た大激動時代の中国を書籍で味わいたい。
そんな思いが強くなってしまいました。
そんな心の声に従いってアマゾンでリサーチした結果、「毛沢東暗殺_伴野朗」に辿り着きました。
内容としては、日本の元新聞記者である作家が記者時代に扱っていた林彪事件の真相を明らかにするという推理サスペンスです。
とりあえず、中国の1960~80年代を小説で味わいたい思い出ポチりました。
- 中国近現代史の小説を探している方
- 林彪事件を取り扱った小説を探している方
著者と概要
著者について
著者は伴野 朗(ともの ろう)で元新聞記者の作家。
経歴としては東京外国語大学中国語学科を卒業し、朝日新聞入社。
大学で中国語を専攻していたこともあり、中国担当記者として仕事をして上海支局長を務めていたこともありました。
エリートですね。
新聞記者として仕事をしながら執筆活動も続け、なんと江戸川乱歩賞も受賞しています。
江戸川乱歩賞といえば、推理作家の登竜門ですね。
しかしながら、同時期に中国で起こった文化大革命の取り扱いで人生に変化が訪れます。
朝日新聞は、文化大革命を賞賛していましたが、伴野氏は批判。
会社方針との違いから伴野氏は閉職へ追いやられ、結果的に朝日新聞を早期退職して作家・評論家となるのです。
組織で仕事をするとあるよねー。
概 要
本作の主人公は1970〜1980年代を時代背景とし、大手新聞社に勤める中国担当の新聞記者が中国で発生したある事件の真相を追う推理サスペンスです。
もう著者そのものやん
全くその通りです。
ちなみに扱っている事件は天安門事件ではなく、「林彪事件」です。
林彪事件とは、中国共産党幹部である林彪が毛沢東暗殺を企みましたが最終的に失敗し、航空機でロシアへ逃亡中にその航空機がモンゴルで墜落した事件です。
もちろん逃亡していた林彪含めた乗員全員が死亡という結果で終わっています。
この事件自体がきな臭いですね。
色々調べていると本書の記述は歴史的に起こった事実がほぼ正確に記述されています。
逆に正確すぎて何がフィクションで何がノンフィクションなのかわからなくなりました。
むしろここが伴野ワールドであり、楽しめる部分なのかもしれません。
読書後の変化
私は本書をきっかけにこの林彪事件に対してものすごく興味を持ちました。
中国共産党での権力闘争は闇が深すぎて面白いです。
調べれば調べるほど溢れ出てきて好奇心が掻き立てられます。
これを機に林彪事件についても深く調べてみようと思います。
まとめ
まず、本書を酔い始める前に中国の近現代史に関する前提知識が無い場合、没入することは難しいかなと感じました。
小説の時代背景となる文化大革命、天安門事件の内容を大まかに勉強してから本書を読めば知識の定着にもつながると同時に小説の世界に没入しやすくなると思います。
以上、簡単な感想ですが、ここまで読んでいただきありがとうございました。