最近、加藤ひろゆき先生のVoicyを拝聴するようになり、第二次世界大戦時代を生き抜いた元軍人の手記や歴史の本を読みたくなった。よって、加藤先生がおすすめしていた大空のサムライを読んでみた。本書の名前は聞いたことはありますが、実際に読んだことはなかったため、これを機会に読んでみた。たった80年前であるのに全く違う世界観を生きている先輩の話は刺激的であった。一読をおすすめする。
本記事は、個人的な読書感想を記したものである。
1.所 感
通常このような戦時中の手記や体験談の本を読んだ場合、「今の日本と違いすぎてよくわからない」、「平和のありがたみを感じた」などの感想が湧き起こるものである。
しかしながら、私が真っ先に思ったのは、「1つのことに熱中する」って羨ましいなと思った。坂井先生は、本書を読んでいる限り、海軍パイロットになってから終戦を迎えるまで零戦パイロットとして1つのことに集中していた。空を飛ぶことが好きなのである。なんかそんなことを強く感じた一冊である。
(1)_スランプの原因は、身近なところにある
わずかな健康の狂いが空の世界では命取りになる。スランプ気味になった場合、自分の実力が落ちたかなと思いがちであるが、意外と食事/睡眠/精神的なものなのど基本的な健康管理にある。
これは全く別になるが、元中日ドラゴンズ監督の落合先生もおっしゃっていたことである。スランプになったら、一度自分の食事/睡眠/精神を見直してみると良いかもしれない。灯台下暗しである。
(2)_最後の頼みは自分だけ
空中戦において、編隊を組んでいようとも小隊で敵機と戦っていようとも何かあった場合、最後に頼りとなるのは自分だけ。そのとき頼れるのは、それまでに積み上げて、磨き上げてきた己の力だけということである。
数えきれないほどの空戦を潜り抜け、その中には戦死していてもおかしくない死戦があったであろう。それでも最後まで生き抜いて来れたのは、最後まで諦めない自分にするための教育を自分でできたことではないか。
坂井先生は、第二の天性という言葉を使用している。人間は生まれた時に持っている先天的性能は一部の天才や奇人を除いてほとんど同じであるが、後天的な性能はその人の置かれた状況、職業、危険度の高さによって思いもかけない力を発揮する。この第二の天性を磨き上げておくことによって、その場面においてさらに大きな力を発揮できるようにする。
この第二の天性を会得するまでが厳しい。その理由は、休みたい、怠けたい、他人が羨ましいなどの煩悩を克服する必要があるためである。
おわりに
本書は、第三者から事実との整合性に関して批判的な意見もあるがこれは回想録であり、描かれているのはその時代・その瞬間を生き抜いて感じたことを、個人の体験として著者自身の言葉で表現したものである。これはこれで1つの事実なのだと思う。
私は現在33歳であるが、先輩の貴重な体験談としてこれから生きていく日本人として活用させていただきたい。