
「壁の外側と内側_イスラエル取材記」を横浜シネマリンで鑑賞しました。
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朝10時上映開始でしたが、ほぼ満席。
ドキュメンタリー映画で、川上康徳監督の作品です。
パレスチナでのインタビューは全てアラビア語でしたので、どのような経歴かと。
wikipediaを拝見する限り、外語大学でアラビア語を専攻し、朝日新聞の中東特派員のご経歴だそうです。
いずれにせよ久しぶりの中東系映画です。
私は宗教的な遺跡への興味で、イスラエルには個人的な旅行で2回行っており、それ以来中東情勢に対するセンサーができました。
これまで訪れたことのあるヨルダン川西岸地区の分離壁。
そこにはバンクシーをはじめとするアートがあった記憶があります。
その一方で生活を制限されている窮屈感や怨念みたいな少し息が詰まるような感覚になった記憶が蘇りました。
この映画は壁の内側であるパレスチナと外側であるイスラエルをそれぞれ取材しています。
鑑賞していて特に内側の悲惨さがよく伝わりました。
砂漠の中の村付近で嫌がらせのように軍事演習がなされ、家は壊され、学校も壊される。
正当な理由はありません。
しかも軍事演習では、あえて爆弾を置いていくという。
一方で壁の外側であるイスラエルは、逆にそういった惨状や自国の軍隊がやっている現実を見ようとしない。
意図的に見ないというべきでしょうか。
これはショックですね。
海外の方がニュースでも流れるので、イスラエル人よりも海外の方が内側の事情に詳しいという皮肉もありましたね。
見て見ぬ振りしてヤバいことやってるのはそれはいかんですよ。
遠い国のこととして見て見ぬ振りしている日本人にはなりたくないの私は知りたいので今後も映画や書籍、そして現地にも足を運んで肌で感じていきたい。
印象に残ったフレーズ
最後のシーンは特に印象に残りました。
・川上記者:「このバラは食用ですか?」
・パレスチナ人女性:「違います、部屋に飾るの」
ここは今でも残像で残っています。グッときました。
野生の薔薇を取ってきて、部屋に飾る。
"生き延びる"だけではなくて、私たちは"生きてる"ということを感じました。
厳しい制限、理不尽な暴力に見舞われているパレスチナでも、人間の生活が営まれており、その中でも豊かに強く生きていくというパワー。
どんなに破壊してこようとしても、私たちは豊かに生きていくのよ、負けないわ。
ある意味、どんな兵器よりも強固であるかつ静かなる"抵抗"。
そんなものを勝手に感じ取りました。
まとめ
日本からは遠い国の出来事ですが、結果として加担してしまうことがないようにしっかり関心を持っています。
外で何が起こっているのか関心を持つということは、自分がどう生きていきたいのかということにもつながると思います。
それは戦争や問題に加担してしまっていないか、または困っている人の手助けのための行動ができるんじゃないかなど自分の行動にもつながります。
イスラエルの情勢が落ち着いたらまたイスラエル/パレスチナへ旅して現地を感じたいと思いました。
まずは一刻も早く戦争が終わり、穏やかな日常で笑顔が1つでも増えるようになることを祈ります。
川上監督、気づきを与えてくれる映画を制作いただきありがとうございました。
引き続き、作品を楽しみしています。
ありがとうござました!