今回は垣根涼介先生の著作であるこの本を手に取りました。
「信長の原理」!
織田信長という人物はこれまで多くの小説、ドラマなどで描かれてきました。
そのような中で本書を手に取ったのはタイトルにある「原理」という言葉が気になったことが理由です。
なんで原理?
なぜ表紙に「蟻」が出てくる?
結論、読んでみるとその理由がわかります。
本書は信長の行動の裏にある「原理」を探求し、彼の思想や戦略に論理的な視点を読者に与えてくれます。
同時に歴史に隠された真実を解き明かすような感覚がありました。
(その大きな原理の1つが「蟻」の行動原則だったんですね。表紙の「蟻」も納得)
これまで私が読み、観てきた視点と全く異なる視点で信長の姿を捉え直していることに驚きました。
また、他にも行動原理だけでなく、信長を支えた家臣たちとの関係性の描写にも驚きました。
こんな視点で信長を捉えたことはないので勝手に一人で興奮。
家臣の目線を通じて、信長がただ恐れられるだけの存在ではなく、心を通わせる瞬間があったことが浮き彫りにされていて、人間味あふれる信長像がこれまでの信長象に対して新鮮でした。
「革新者」や「非情の英雄」といった一般的なイメージだけではありません。
人間としての織田信長の苦悩や葛藤、そして彼が何を見据えて生きていたのかを深く掘り下げられています。
読んでいる最中、まるで戦国時代にタイムスリップしたような気分になり、歴史の息吹を肌で感じることができました。
印象に残ったフレーズ
個人的に特に印象的だったフレーズを1つだけ。
人が生きていく上で、最もやりきれなく、そして始末に負えないことは、その生が、本来は無意味なものだということに、皆気づいていることだ。
信長の原理_P434
なんかグサッときました。
ただそれだけです。
まとめ
「なぜ信長はこの時代に現れ、どのようにして乱世を切り拓いたのか」という問いへの答えを、読者自身で考えさせてくれる構成は本当に見事でした。
答えは絶妙に出さないというのが少し憎らしい!
垣根先生の書籍で初めて読んだのはワイルドソウル。
あのときも興奮しました。
やはり面白いです。
その他の作品も適宜読んでみようと思います。
最後に、この本を手に取る機会をくださった垣根先生に心から感謝申し上げます。
これからもぜひ、垣根先生が描く歴史の物語を読みたいと願っています。
歴史好きの方で気になった方がおりましたらぜひ手に取ってくださいませ。
ではでは♪